「刺青殺人事件」戯れ言感想文
記念すべき、神津恭介先生のデビュー作!!(高木彬光先生にとってもね。)初めて神津恭介シリーズを図書館で手にしたのもこれでした。小学生の頃は何となく読んでいたってところがあったんだけど(^^;。トリックがわかっていながら、大学に入ってから再読しました。わかっていても、面白いモノは面白いですね。このトリックって、いろんなとこでネタバレされてるし・・・。
話は第三者的に書かれているけど、やっぱり視点が松下さんよりなんですね。最近の作家さんもこの傾向が多いですよね。神津先生と松下さんが探偵と作家コンビの日本の先駆けでしょうか。
双子の姉妹、不可能といわれた日本家屋での密室バラバラ殺人、謎の行動をする博士。そして、大蛇丸、自雷也といった刺青の存在が妖しさを深める・・・。
うーん、こういう妖しい雰囲気っていいですねぇ。もともと乱歩作品で推理小説にはまっただけになおGOODです。捜査が難航する中、颯爽と現れるのが、我らが「神津恭介」!!!
いやぁ、先生が出てくるまでの約250ページ(角川文庫参照)が長かったこと(私が先生しか見てないだけに)。三四郎池のほとりに立つ美青年・・・、いいですぅ(*^^*)。神津先生のかっこよさはこっちで語ってますがもう一度。
「額はぬけ上がったように高く広く、眼は黒曜石のように澄んで輝き、(中略)、その顔全体に、みなぎる気品と英知であった。」
これだ、これなんだよ!原作読むまではドラマのせいで近藤正臣氏のイメージしかなかった私が、一目惚れならぬ、一読惚れをしたのは!!さらにその後彼の天才ぶりが表現されているが、何といっても、
「神津の前に神津なく、神津ののちに神津なし」
の一文でしょう。しかも御本人も才能をわかっていらっしゃるらしく、松下さんから事件のあらましをきくと、いきなり
「難事件・・・・でも解決は不可能じゃない」
そして、
「おそくともこれから一週間のうちには、事件を完全に解決し、君の兄さんに犯人を捕らえさせてあげるとも」
の大言壮語。・・・か、かっこいい。とっても高飛車なところがいいです。しかも、言葉通りに密室の謎をすぐに解いてしまいます。しかも犯人の心理的トリックも見透かしてしまいます。そして、3人の容疑者たちに会い、その性格から犯人を最上久と断定し、罠を仕掛けます。このあたりでは捜査一課の皆さん、神津先生に実権を完全に握られています・・・。がんばれ捜査一課、自分たちで考えるんだ!それはさておき、切羽詰まった最上久の元に現れたのは死んだと思われていた絹枝だった!
双子のトリックってのは良くあるパターンではあるのですが、二人を区別できるためにある刺青が存在していて、それでバラバラになっても身元が分かる。でも、それがさらなるトリックで・・・。こういうことを発想できるのってすごいです。今だったらD.N.A検査とかがあってできないトリックかもしれないですね。あ、一卵性双生児はD.N.Aも一緒だったっけ(・_・?)。そういうことちゃんと覚えてないや(^^;
最後は「名探偵、みんなを集めて、さて、と言い」ではありませんが、神津先生が御自分の推理を話します。事件が終わったとたんに学者に戻る先生。バリトンの声で淡々と話すんだぁ。聞き惚れそう。しかし、神津先生の話に簡単に納得してしまう私は、松下さんと一緒です。
あの、大蛇丸の刺青のトルソ、本当に東大医学部標本室にあるんでしょうかね。こういうの苦手だけど、見てみたい気も・・・。
とにもかくにもこれから、神津先生の活躍が始まるわけです!
注)犯人の名をバックカラーと同色で書いています。
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