「魔 笛」戯れ言感想文


 何となく、好きな話です。現代じゃあ、もう使われないようなとぉっても、初歩的なトリックですよね。たぶん、この作品が発表された頃はめずらしかったんでしょうけど。

 犯罪捜査の疲れをいやすために、知らぬ土地へ旅行に出た神津先生。さて、神津先生はやっぱり、だけにも行き先を言わずに旅行に行ったのでしょうかね。『呪縛の家』みたいなことが起こっちゃうかも知れないから、研三さんくらいには連絡取っているかな。

 それはさておき、せっかくの旅行先でも事件に巻き込まれちゃう神津先生。その巻き込まれ方が、なかなか幻惑的でいいですね。春の夜、温泉上がりで宿の外に出た神津先生の耳に届く邦楽の笛の音。そして、墓場でその笛を吹いている黒眼鏡の怪しい男。それも、死んだ恋人のお墓の前でいきなり倒れる。どう考えても怪しすぎやって(^^;)ところで、この笛って、笙でしょうか?もしかして尺八!?(笑)
 彼(柏木良一)のまるで「耳なし保一」のような話を聞き、目の見えない彼を家まで送り届ける神津先生。でも、柏木良一は二日後の朝、その墓場で死んでいた。う〜ん、この怪談じみたところがいいですね。ここで、柏木良一の妻の雪代、弟の賢二とその妻の鶴子の説明があるんですが、これだけしか主要人物いないんだから、犯人はもうバレバレ(笑)あとはトリックだけだねって感じでしょうか。

 2週間ほどあとに雪代さんが、神津先生を訪ねて、最近起こった出来事を話したことで、事件の真相を見破る神津先生。うむ、このあたりはさすがです。いくら現代ではわかりやすいトリックだとしても(爆)ところで、この時の

神津恭介は椅子から立ち上がって、白衣のうしろに腕を組み、部屋の中を静かに歩き回った。

って表現を読んで、カワイイ〜(*^^*)って思っちゃいました。久々の白衣姿もいいんですが、後ろで手を組んだ姿を想像した瞬間、前で手を組む姿よりも可愛く感じてしまいました。最近、思いっきり壊れているから余計に。

 神津先生、賢二と鶴子の使ったトリックを逆用して、心理的に追いつめます。そして、殺人未遂の現行犯逮捕となるわけですね。でも、蝋人形をお風呂の中に突っ込んで大丈夫なんですか?蝋人形の溶解温度ってよく知らないんですが、溶けちゃいません?だって溶けたら、菊水館のご主人に悪いじゃないですか(笑)

 ところで、犯罪や法律に詳しい知人に訊いたところ、お風呂などの水に浸かった状況で微弱電流を流して心臓麻痺に見せかける方法、今じゃあ、解剖にかけたらすぐにわかるそうですね。どこまで完璧かは訊かなかったけど。
 現代の推理作家の方々、だんだんと完全犯罪を書くのが難しくなってますね。だって、現実から離れすぎたこと書けませんものね。

注)犯人の名をバックカラーと同色で書いています。
でも、登場人物少ないから意味無いね(爆)




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