このごろガンコ山での僕の肩書きは「ローテク建築家・ローテク研究家」である。
(非常にウサンクサイところが気にいっている)裏山の間伐材の有効利用法を考えて
いたらそうなってしまった。建築や大工仕事はズブといっていいぐらいの素人なのだ
が、無手勝流で試行錯誤しているうちにアウトラインが見えてきた。
僕の考えているローテク建築は、ローテク(誰でも作れる)・ローコスト(やっぱ安
くないと)・ローインパクト(自然を求めて山に入るのだからその自然には最大限敬
意をはらいたい)ということの三点に要約される。
今年はツリーハウスのとなりに東屋を作った。杉を切り出し掘っ建て柱にしてセッペ
タ(丸太を製材するときに出る端材)で屋根をふき、土を1トンばかし敷いて芝屋根
にした。とにかく山の中で作るから重機や大型機械には頼らない。人力と運べるだけ
の道具を最大限に駆使する。だからローテク建築。そして、現地で手に入る素材を
使って作る。コストが抑えられるだけでなく、ゴミを持ち込まなくてすむ。その東屋
は自給率80%ってところか。まだまだローテク術が未熟というか未完成なのである。
それでどうなるの?という声が聞こえてきそうだが、山の中で汗を流して作業してい
ると面白いのだ。試行錯誤のプロセス自体がほんと楽しい。が、勿論いろんな波及効
果(こっちが本筋か?)がある。例えば、秋に小さな実を付けるヤマガキ。これが耐
水と防腐を兼ね備えた天然塗料になると知れば血眼で山中を探したりする。山道に倒
木があれば何かに使えないかと図鑑で調べる。で、こういう知識は地元の人がよく
知っているから、いろいろアドバイスを受けたりする。そうやって地元でも忘れかけ
ている昔の技術を掘り起こす。