■ 特 徴 ■
複数のカレッジや大学院の集合体といえる大規模なユニバーシティーから、学部課程だけで学生数も数百人というリベラルアーツ(教養)大学までさまざまなキャラクターをもっている。アメリカには国立大学は仕官学校などごく少数しかなく、州立大学が日本の国立大学に当たる位置付けになる。州立大学は私立に比べると学費が比較的安い。アメリカの大学を特徴づける存在は、幅広い教養教育を主目的としたリベラルアーツ大学だろう。マンモス大学に比べると地味な存在だが、きめ細かな教育体制から留学生の注目を集めている。
アメリカでは本格的な専門教育は大学院で行われることが多く、学部課程の教育では一般教育科目、専攻科目、選択科目の3分野をバランスよく履修するのが一般的。1, 2年次でさまざまな分野の入門的な科目を取り、自分の適正と関心の方向を見定めて、3年次に上がる段階で専攻を決める。
また、学校間の編入や単位互換のシステムが定着しており、4年制から別の4年制へ、あるいはコミュニティーカレッジなど2年制大学から4年制へ編入する学生が多い。
■ 種 類 ■
University
アメリカの大学にはCollegeとつくところと、Universityとつくところがある。本来的な意味では、ユニバーシティーは複数のカレッジや大学院の集合体。カレッジはユニバーシティーの[部分]である。たとえばHarvard Universityは学部としてのHarvard Collegeをもち、大学院としてのGraduate School of DesignやMedical SchoolやLaw Schoolなどを擁していて、全体でユニバーシティーなのだ。ところが、Universityという名称なのに学部がひとつだけといった大学もあるので、結局のところ、カレッジとユニバーシティーのちがいについては厳密な定義づけはなく、中身をみないとわからない。
ユニバーシティーは歴史的には研究者育成のため建設されたものなので、大学院の研究過程があるのが特徴。なかでも研究系大学(Research Universities)と称される大学は、学部よりも大学院教育に力を入れているので、いくら名声が高くても学部生として学ぶのにはよいかどうかは、個別に判断する必要がある。高度な研究設備を備えて民間とタイアップで最先端の研究を行っているところもめずらしくない。博士課程をもつ大学は「学位授与大学」と呼ばれ、教授陣のレベルは高く、専攻の幅も広い。
Liberal Arts College
リベラルアーツとは人文・社会科学、自然科学、語学などを含む一般教養を指し、「リベラルアーツ教育」とは、イギリスの上流階級の子息が進むオックスフォード、ケンブリッジなど全寮制のカレッジで行われていた、一般教養を幅広く学ぶことで見識と人格を備えた人物を養成する教育のこと。アメリカの大学は歴史的にイギリスのカレッジを雛型にしているため、リベラルアーツ教育の伝統が今も息づいている。
リベラルアーツ大学の典型的な姿は、学生数が1,000〜3,000人程度の小さな私立大学で、学士号過程が中心、田舎にあり、寮生活を義務付けている大学。授業は10〜25人の少数精鋭クラスで、きめ細かなマンツーマンの指導が受けられる。
日本にはない形態の上小規模なので、日本からみると地味な存在だが、教育内容のよさが知られるにつれ、マンモス大学を避けてリベラルアーツ大学を目指す留学生も次第に増えている。
有名大学は東部のニューイングランド地区に多く、Amherst College、Swarthmore College、Williams College、Wellesley Collegeなどは、アイビー・リーグ校と同格とみられる超一流大学だ。
Comprehensive College
日本語でいえば総合大学。ユニバーシティーに近いが、大学院には通常、博士課程はない。州立大学や地方の中規模私立大学などにみられる形態。地元学生が多く、地域色豊かな学校が多い。
Specialized College
音楽、美術、デザイン、建築、経営、工学など専門分野に絞った大学で、各分野の高度専門職の養成を目的としている。世界に名をとどろかせるジュリアード音楽院(The Juilliard School)などはこのタイプ。ニューヨークのファッション工科大(Fashion Institute of Technology)のように日本にはない専門分野の大学もある。名称はSchoolやInstituteなどが一般的だが、Collegeを使っている学校もある。
|