暗器のうんちく        


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暗器といってもいろいろな分け方があるけど
とりあえず
隠し持てる武器、一目では武器に見えないものとかとしておきましょう。



目次
・飛び道具
・手投げ
格闘戦武器
・偽装したもの
・仕込み杖

         

・飛び道具


飛び道具と言ってもいろいろあります。
ここでは小型弓のヴァリエーションとバネ等の機械仕掛けのもの、吹き矢とか
手で投げない射撃武器を挙げてみます。

・短筒
格好としては後述の袖箭に似ている。
鉄製の筒に発射レバーがついたもの。
発射の時は本体ごとレバーを握り締める。
一応護身用の武器としてあったらしい。
構造上単発で命中率、射程ともに悪い。

・弾弓(だんきゅう、タンコン)
石、もしくは専用の弾丸を飛ばすタイプの弓。
通常みられるのは狩猟用のものなどが多い。
スリングショットの元なのだろうか?
中国の春秋戦国時代に登場するらしい。
通常の弓に比べれば命中精度は悪いが、飛ばすのが弾丸のため
打ち落とす事はまず不可能で、弾の補給も容易のため暗殺用となる。
また弾に爆薬などを仕込む事も可能である。

・袖箭(ちゅうせん シュウチェン)
名前の通り、中国のもの。
竹筒にバネを仕込んで矢を飛ばす。
袖の中に隠せ、予備動作無しに矢を放てるのが利点。
一説によれば諸葛孔明の発明とも言われる。
「機輪書」なる諸葛孔明が記したとされる書にあったとのこと。
とりあえず、明の時代にはあったらしい。
後の時代には連発、多連装のものが造られたそうです。

・吹き針(ふきばり)
中国から日本に伝わったとされる。
含み針を携帯型にしたもの。
呼び子ぐらいの(5cmぐらいの竹筒)に針が詰めてあり、蓋がついている。
使う時は口に咥えて蓋を開いてから相手に向かって吹きつける。
用法と針の長さから見て殺傷力については期待の仕様が無いが
動きをとめたり、目潰しのためと考えればいいのかもしれない。(忍者モノだったら毒が塗ってあるだろう)
射程距離は0m〜3m(針が軽い物のため、無風状態が望ましい)
江戸時代にあったとのこと。

・吹き矢(ブローパイプ、ブロウガン)
長さ30〜200cmの筒に(ところによっては先細り)軽い矢を込めて
端から息を吹き込んで飛ばす。
射撃のための動作が筒を構える事のみのため、狭い空間での使用に適している。また、狩猟用として使われることも多い。
威力については期待が持てないが、毒を塗る事によって鎧の無い所に刺されば必殺の武器となる。
塗る毒についてはクラーレが有名。
なお発明された時期は槍、弓などよりも遅いらしい。
当たり前だが、連射は出来ない。

・手投げ


手裏剣など手で投げつける兵器。
毒を塗る場合が多いようです。(いや暗殺のためだけでなく自衛の時も動きを封じるためにです)

・打根(うちね)
紐付きのダートといった姿。
矢尻が比較的大き目なのが特徴。
手で持って投げつけるほか、直接握って槍のように使う事も出来るらしい。
そのためか柄は少し太目。
長さは一尺から二尺程度(33〜66cm)、紐は二間(3m〜4m)ぐらいだとされる。
弓が使えなくなった時の急場に矢を手に持ってしのいだのが元ともされています。
江戸時代ぐらい、日本。

・内矢(うちや)
竹筒の中に矢を仕込んだもの。
竹筒を勢い良く振り下ろす事で矢を発射する。
手で握ってなげるよりも命中させ易いのが特徴。
前に挙げた打根よりも小型。(全長一尺程度?)
とりあえず護身用の物。

・羅漢銭(らかんせん)
金銭ビョウ(対応漢字あらず)ともいう
500円玉ぐらいのコインを指に挟み手首のスナップで投げる。
使用するコインは銅銭なら4〜8g程度
銀貨ならば30g程度が適当とされる。
また縁を研いで刃にしたものもあったようだが
それではコインの特性−都ならどこでも手に入り、もって居ても怪しまれない−
が失せてしまう。

達人は一息五打というから連射が出来るのであろう。

中国、明の時代には確認されている(金属製のコインは東周 戦国時代(BC475-221付近)に製造開始)

・手裏剣
忍者の武器としての印象が強いが、元は武士が打物として発展させたもの。
非常時に脇差しなどを投擲した事からともされる。
また中国の脱手ヒョウ(漢字出ない、かねへんに票です。)をアレンジしたものとも。
毒を塗って使うのが通常。
動きを止める為の二次的な武器として使う事も多い。
形状はさまざまで十字型、八方、星型、菱形、卍型、組み合わせ十字の円盤型の物。
天狗流などがつかう礫(つぶて)状の物、
クナイ、針状、などを含んだ、棒状の物に大きく分かれる。
円盤型は回転させて切り傷を負わせて怯ませるのが主な用法で
棒状は真っ直ぐなげる事で致命傷を負わすのが主な用法と聞く。
ただし、達人の手に掛かればそのような事は余り関係はないらしい。

・ダート
手投げの矢。
20〜30cm程度
大きさの割と重い、これは弾道を安定させる為か?
中国における擲箭(てきせん)。
握って戦う事はふつうない。
元の物は石器時代に登場。
西洋では15世紀あたり
中国では周の時代に登場。

・ヒョウ(かねへんに票)
中国における手裏剣のような物。
大概菱形で、ひょう依とよばれる弾道安定のための布がつく。
中国ではボディガードの事をひょう師と呼んだが
これがヒョウの達人の事なのか、それともそれが語源なのかは不明。
中国の北宋時代には記述がある。
またコインをなげつける技術もヒョウとよぶようである。(金銭ビョウだったかな)

・飛鐃(ひにょう)
縁が鋭く研がれたシンバル。
楽器としての動作も可。
3mの紐で結ばれており、これが利点であり欠点である。
AD960年のあたり。中国。





・格闘戦武器


峨眉刺など片手で持てる武器が多いです。
ナックルや短剣、鎖のたぐいなども含めています。

・角手(かくて)
指輪に爪がついたような物。
これを指に嵌めて殴る。
または爪を内側にして相手をつかむ。
握り込めばまず判らない
色々な名称があり角珠、隠し、鷹の爪、鉄拳など。
江戸時代。日本。

・峨眉刺(がびし)
30cmぐらいの鉄の棒の両端を尖らせ、中心に指を通すリングをつけたもの
中指にリングを通し、棒を握り締めて使う。
バリエーションとして鉄棒がリングを中心に回転するようになった物がある。
こちらも峨眉刺とよばれるが点穴筆(針)と呼んだ方が用法を説明していると思う。
これは、相手に点穴を行なう事でより効率的に倒す事が出来る。
秦の時代のあたり。中国。

・圏(けん)
金属製の輪っか。
握る所に布が巻き付けてある。Q<こんな形か
直径30cm前後で握って使う。

もともとは踊りの道具だったらしい。
後には外側、内側に刃をつけたものが開発された。


・鎖分銅(くさりふんどう)
別名は萬力鎖、万力、玉鎖、両分銅、袖鎖など
投げつけて絡み付かせるもよし、振り回し遠心力を利用して分銅を飛ばすもよし
まとめて握り、殴り付けるもよしの武器。
使い方によって射程距離を様々に変化させる事が出来る。
問題は決定打に欠ける事。
その辺りを克服したものとしては鎖鎌など。
また、殺傷力を無視して捕縛用の物として鎖竜た(くさりりゅうた、たはごんべんじゃなくてくちへんの託と書く)
があるこちらは鉤爪をつけた物で捕物の時に使われた。
鎖なので細目に造れば竹筒などに仕込む事も出来る。
江戸時代の物は60〜120cm、重さは一キロ程度。


・子母鴛鴬鉞(しぼえんおうえつ)
三日月状の刃を二つ組み合わせた武器
形状はシャネルのマークを思い浮かべてくれ。
用法は、片方の三日月の真ん中をもって戦う。
おもに八卦門の武器とされるが少林拳系統でも使用する。
圏の一種か。
明代の「三才図会」に記載。


・ナックル ダスター
ブラス・ナックル、メリケン・サックなどの手に嵌めて拳を強化するものの総称。
BC688の古代オリンピックでは牛の皮を硬くした物が使用されたが
あっさり人を殺せる代物だったそうな。
なお、拳を強化するのに輪っかにした金属を握り締めるのは世界各地に存在する。
バグナグなどはそのバリエーションと言える。
そのへんの中にはピストルが仕込まれた物もあるそうでそこまでいくと
もう十得ナイフも顔負けである。

・マロホシ
十手のバリエーションと思われる。
折畳式の十手と言っていいのだろうか?
二つの手鉤を目釘でとめて使用する。
組み合わせると十文字になり中央に刃が突き出したものとなる。
これを使うとされる一角流十手術は現在も存在するそうだが
紹介をみる限りマロホシについてはこれといって言及されていないようである
現在の一角流で使用するものは六角の鉄の棒を身とした十手だそうだ。
なお一角流は神道夢想流杖道の三代目、松崎金衛門の創始とされ
武芸十八般十手捕縄をもって初めて極意に達するそうです。


・流星錘(りゅうせいすい)

縄の先端に金属製の錘(形状は多角体、球状等様々)をつけた武器
縄の片方にだけ錘をつけたものは単流星、両端につければ双流星とよばれた。

バリェーションは錘に鋭利な突起をつけた狼牙錘、
錘の代わりにヒョウ(該当漢字なしかねへんに票)をつけた縄ヒョウ(じょうひょう。該当漢字無し)がある。
たしか少林寺拳法系で使用したはず。




・偽装したもの


隠し武器のお話で中国にかなう所はありません。
楽器から升までも武器にしてしまうんですから。
これでは権力者は安心していられません。

・鉄扇(てつせん)
鉄で出来た扇。
畳んだ状態にしてぶん殴る。
扇として使えるものと、畳んだ扇状にしただけの物とがあり
後者には短刀をしこんだものもある。
江戸時代の達人はこれを結構愛用していたらしい。

・鉄笛(てってき?)
鉄で出来た笛。
用法は至って簡単で片手または両手で握り締め
重いきり殴り付けるだけ。
ただ鉄で出来ているだけの笛なので演奏も出来る。
たぶん中国

・鉄尺(てっせき)
鉄で作られた物差し。
長さ150cm〜180cm、重さ約1kgというから
結構な威力があるだろう。(重さ的には日本刀ぐらいだ)
一応護身用、もしくは暗殺用だそうだ。
しかしこの長さと重さでとっさに振り回せるのだろうか?
なお周時代のものさしは「湿気による長さの変化を防ぐ」為に銅製で、
明の時代に鉄製は造られたんだそうな。

「封神演義」では燃燈道人が使用した「乾坤尺」(けんこんせき)がこれにあたる。


・仕込み杖


西洋のものはこれが多いようですね。
剣を仕込んだものが中心です。

・仕込み杖
主に江戸時代、または廃刀令後の明治時代に造られた。
江戸時代の物は公には刀を持てない人間、僧侶とか、山伏とかが隠し持つ為に開発したもの。
明治時代の物は維新後だけあって西洋風のステッキに日本刀を仕込んだ物が多い。
棍に鎖を仕込んだものもあるそうな。(古武道のものらしい)

・ソード・ステッキ
18世紀に入って剣を公に持ち歩くのは廃れてしまった紳士達に広まった。
仕込まれた刃は短剣〜長剣クラスまでさまざま。
鉄製の鞭を仕込んだ物もあるらしい。
またナポリ王国の重装騎兵はこれを正規の武器としていたそうだ。

・フェザー スタッフ
1m程度の中空の柄の中に50〜100cmの刺突ようの刃が隠されています。
刃は柄を勢い良く振る事によって柄の先端に開けられた穴から飛び出します。
この時同時に二本の針状の刃が左右に突き出します。(フォークみたいに)
これによって防御をしたり、中央の刃で刺す事も出来る訳です。
おおよそ短い槍と考えてよいのではないでしょうか。
これは17世紀頃に歩兵部隊の下士官が使ったとされています。

・ブランドエストック
14世紀ぐらいにイタリアのロンバルディアの辺りで発明されたそうです。
その名称は刀剣を振り回す、槍を繰り出すという意味のブランディッシュと
突き用の刀剣エストックとの合成語です。
刃の出る仕掛けですがは前述のフェザースタッフと同様となりますので説明しません。
しかしこんな物をもって修道僧が旅してたとなると西洋ってずいぶん物騒だったんだなあと思う。




めにゅー